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2005年12月20日

●住民力と1%条例

 高知県では、弱体化した県財政の問題もあり、「住民力」を高めることを大きな政策の柱にしているように見える。
  「住民力」とは、県財政の極端な悪化のなか、地域住民と行政が知恵と力を合わせて、介護、子育て、自主防災、健康づくりなどの各面で「支え合う」仕組みをつくっていこうというもの。要は官のサービスを従来通り行政で行なうものと地域で行なうものをさび分けし、官民で支え合うという仕組みだ。


 今の段階では声かけだけに終わっているがいよいよ来年度から本格化するといわれる、だけどいまいち誰も実態がよくわからない「アウトソーシング」、無批判無節操な施設放出が文化大革命ばりの文化危機と雇用危機を招く予感もある「指定管理者制度」、南海地震に対する自主防災会の組織などもそのひとつになる。

 ここで問題になるのは当の「住民」である。現段階としては「力」以前の状況にあるのが実態で、NPOについても先日のフォーラムがそうであったように経済「力」なきNPOが頑張ってギリギリの線で活動をしているのが実態だ。そして、その弱さを補強するために送り込まれているのが総勢60名におよぶ応援団の皆さんだ。実行力や企画力はあるが、経済力が伴わない。いや、伴えない社会構造とでもいうべきか。

 また、だいたい危なっかしいのが指定管理者制度でもアウトソーシングでも、県側がこれをただの「安く済む外注」程度と考えて従前の4-5割とかで予算をつけてくる可能性が強いということで、どこかの公園の指定管理者制度では実際にそんな吃驚するような数字を出してきたのだとか。むろんそんな非常識かつ都合のいいものが全て許されるわけではないけれど、請ける側が「クレクレ君」になってしまえば、元も子もない。それでもいいでーす!と手を上げてしまえば、そしてそれで落札されてしまえば、その数字は標準値になる。
 これじゃあ官本体は年数パーセントの給与削減で済むかも知れないけれど、NPOや住民活動で身を挺して「住民力」を実現しようとしている人々はまさに「負け組」的な経済の底辺に置かれたまま激務を果たさなければいけないことになる。事実、NPOスタッフの大半はヒルズ族の月給程度、下手をすれば日給程度の年収しかないのではないか(w
 たぶんこれではみんな貧乏になる。なにより、ある程度懐に余裕のある団塊世代がリタイア後、NPOや組織をバカバカと立ち上げて行くのは間違いないわけだけど、「余裕」があるあまり仕事を「安く」請ける可能性があるのも恐ろしい。これでは「次の世代」が育たない、いや育てない。

 ART NPOの領分で考えても、たとえばやなせたかしさんが無料でロゴを創ったりすれば、当然どこかに皺寄せが行く。デザイン事務所からすればある意味迷惑かも知れないし、将来を考えると「何もかもやなせたかし」というのは「なんでもかんでも坂本龍馬」と同じで個性が没個性化していく第一歩につながりかねない。だけどやなせさんの無料という部分や、検証もしていないのに「訴求力がある」という理由でポンポンと似たようなキャラクターが県内に続々登場している。悪くはないが、良くもない。いや、はじめはよかったんだ、だけど今は・・・という話だ。


まあ話を戻す。
 なにはともあれ、「住民力」とはつまりは行政と民間のワークシェアリングだ。その方向性は特に不満はない。なんでもかんでもやってくれる親切丁寧な官を解体してNPOや市民といった民の「結い」で地域を運営していくというのは、なんてことはない、ほんの120年くらい時計の針を元に戻すだけの作業なのである(田舎だけの話/トーキョーは別)。人口もその時代との均衡へ向かって収縮していくのだから、120年後の未来を思えば仕方が無いわけである。

ただ、ここには財源のお話が含まれていない。税金はあくまで県が握ったままで、仕事だけ一緒にやろうというわけだ。これじゃあ国対地方の構図と何も変わらない。
「地方は地方らしく、共助の精神で暮らせ」
これが今の「東京政府」の考え方。要は東京の足を引っ張る田舎は「みんなで助け合って、貧しく静かに暮らしなさい」ということだ。だから財源なんてほんのわずかしか譲ってくれない。

 むろん高知でいわれる「住民力」はそんな短絡的なものではないだろう。まあそもそもの財源が東京政府から借りてきているものに等しいから変なことは言えないんだろうけど、知事がそこまで旗を振って「お仕事譲りますorお仕事一緒にやりましょう」というなら、「財源」も一緒に「ちょっとだけでも」譲ります・・・そんぐらいの方が一緒にやる気になるというものだ。てゆか、やっぱりそれがないと「住民力」は育たないのではないか。

 ちなみに、千葉県の市川市では「1パーセント条例」という政策を実行している。これは、市民が納税額の1%を応援したい団体に寄付をすることができるというもの(むろんしたくない人はしなくてもよい。ここもミソ)で、寄付をしたい住民は役所に納税通知書と寄付先を明記した申込書を出せばよい。
 まあこれは自主財源比率が70%を越える市川市だからこそできる技という側面もある。だけど、森林環境税に続く地域内自主課税を地域のくらし保全政策へとつなげる税制として、これを高知流にアレンジした上で導入してみることを考えたらどうだろうか。高知はNPO活動も比較的盛んな土地柄だし、理解は一定得られるのではないか。

 この条例は、ある意味「公益信託高知市まちづくりファンド(市)」や「こうちNPO地域社会づくりファンド(県)」で実現している部分もある。これらのファンドは基本的には行政が資金を拠出し、その運用益などで?市民活動を支援するというもの。いうたら税金ですよね、使っているのは。だけど、間に宿命として選定過程がわかりにくい審査員や審査会があるので、市民の選択権は実質ない。そこが違う。・・・まあそこらへんをかえることができれば、これらの資金を新税制とリンクさせることも考えられそうです。

・・・いや、すいません詳しい税制のことはよくわからずに書いている部分があるので不適当なところがたくさんありそうです。

 まあなにがいいたいかというとですね、もっと社会がNPOや市民活動というのを本格的に市民そのものが主体的に後押しできる構造が必要なのではないか、ということです。





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コメント

長い文書おつかれさまでしたw税制はとっても大切ですね。いや、税の制度よりも、結局は自分らがどう使いたいかを考えることが大切なのでしょうね。
市川市の場合で1千万くらいが、寄付に回ってるみたいですね。高知の各ファンドはどれくらいでしょうか。1千万よりは少ないと思いますが。

いっぱい書きたいことがあるけど、
あまりに中身の濃い記事で、
何処に対して何を書こうか悩むぞ。
しかし、ハッキリ言えるのは
「タケムラ!あんたえいこと言う!!」

基本的に不勉強なおいらは、1%条例について何も知らなくて、
そういうものがあるというのを上司から聞いたわけです。
高知でもこれをできんろうかねと。
で、そこにこないだのNPOフォーラムです。
NPOの皆さん(自分も含む)は経済的に皆厳しいという状況を目の当たりにして、
やっぱこれじゃあ住民力いうても続かないと思いましたよ。
「ボランティア」は絶対に長くは続きません。死んじゃいます。
そこをもっと行政は考えて行かないと、どんどん県民が死んじゃってアウトソーシングどころじゃない、県の吸収合併てなことになっt(以下略)

市川市の場合でも、支援可能なのはNPO等が実施する事業費分になってますね。
つまり、人件費といった運営費には直接出さないようになってます。トータルで見れば足しにはなるかもしれませんが、組織の運営費は会費、営利事業、その他寄付金で賄うことに変わりはなさそう。
その点から見えれば、社会全体でNPO等の組織運営を支援するとうよりも、NPO等が実施する公益事業の中から、市民が必要だと思う事業を選択する=「議会を飛び越えた税の使途の市民による選択」という意味合いが強いのではないかと思います。

そうですね。市川の報告書を読むと結構色々と問題があるのは間違いない。
また結果としてプレゼンが上手か、巨大なNPOにやや有利な感じもある制度だなーとも。また、事務費や人件費が出ないのはやはり使いにくい。
そこらへんの思いも込めて「高知流にアレンジ」ですよ(w
本当に地域力を育てるためには、どんな制度設計がいいのか、議論が必要なのだと思います

■こんにちは。島根のFinemanと申します。行政が「安い業者」「安いコンサル」としてNPOを見ているのは、私も気になっています。
■1%条例と言う言葉は、2002年のNHKスペシャルで、ハンガリーが最初に始めたシステムとして、紹介されていました。
財源の「配分」は常に「なぜあの分野の団体は助成が多くて、我々の分野は少ないのだ」という批判を受けますから、「市民が判断した」と言える点で、不平が出にくいシステムだと思います。
■同番組では、米国のピッツバーグの、NPOがテナントを埋めているビル「第二市庁舎」の紹介もしていました。NPOに財政的な支援をするのは企業やスーパーリッチが寄付した財団が多いようでしたが、各NPOがその助成を得るために、プレゼンで競争をしていました。あるNPOの、河岸再開発の提言では、ヘリコプターからの現在の河岸市街地の映像に3D-CGを合成した、ハリウッド映画並みのプレゼンをしていました。番組では、NPOの力量は高いと肯定的に紹介していましたが、私は、タケムラさんと同様に、勝つためにそこまでの戦いを要求する、きわめて米国的なその競争に違和感を持ちました。プレゼンが上手くて勝つ団体の取り組みが、必ず必要度が高いわけでもなかろう、と。高齢者で、プレゼンの方法など知らないし、アピールの術もしらず、ひっそりと困っている人たちこそ助成を必要としているかもしれないですし。
■ピッツバーグとの対比では、ハンガリーの1%システムの方がましかな、という感じでした。
参考 http://fish.miracle.ne.jp/mail4dl/01-concept/consept8.htm

初書き込みです。東京でコンサルしてます。タケムラさんご無沙汰です。
最近感じていたこと、ずばり言われてて、「うんうん」とうなずくばかりでした。

で、財源確保という面では、三宅島の帰島支援ボランティアに対しては、具体的な支援事業計画とそのコストを明確に示したために、
企業から非常に多くの支援(お金)を受けたと聞いてます。(根拠になるデータなくてすみません)
「東京やきできる」と言われそうですが、住民やNPOによる財源確保にはある一定のスキルがあれば、できることもあるんやないでしょうか。

また、災害時のボランティアに関してはいくつか「基金」があるようです。
http://www.dynax-eco.com/bousai/hint/index.html
※災害ボランティアの資金編参考
昨年から災害が多かったので、基金運用の意志決定の明確化や使い勝手の見直しなどいい方向に動き出しているとのこと。「災害支援」という特殊性はあるものの、ある一定の活動に限定すれば、新しいファンド運用の可能性は高いのでは。

といきなり濃ゆい話題でごめんなさい。。。
タケムラさんの考えはいろいろ可能性があると思って。。

こんばんは。
TGさんのお話から、思い出したことがあります。
某市長と公募市民が対談をするイベントで市長が市民からの提案を受けたことがありました。 その後、別の機会に市長の話を聞く機会があったのですが、市長がこんなことを言っていました。
いわく 「市民の提案は、ぼんやりしたスローガンやイメージや夢のようなものが多かったので残念でした。"○の問題を2年後に○%改善するために、短期的には◇、中期的にはと○という解決策を、来年4月から2年間実施したい。そのために◇な人員を手当する必要がある。結果2年間で総額◇の経費が必要なので支援を求めたい" などと数字まで具体的な提案があって、内容に納得できれば 「これをすぐ詰めて進めてくれ」 と、担当部局に渡す覚悟はあったのに。本当に真剣なら、行政も資料を提供して手伝うから、自分たちでそこまでプランを詰める意欲が欲しい」 と。
なるほどと思いつつ、本業のある市民の団体が片手間でそれをやるのは大変だなあ、とも思いました。
行政のかたは時々( 平日の日中にイベント開催等 )、人を拘束するコスト感覚が薄い場合がありますから。月給25万の大人には税や保険料も合わせると実際は約50万経費がかかっているので、だからよく 「利益込みで給料の2.5〜3倍稼げ」 と言われるわけです。 その大人に対して、市民活動は崇高だから無報酬やチップ程度の報酬で10日・1ヶ月と費やせ、と言うことの重さを、もうすこし認識してもらいたいなあ、と思うことはあります。それを外に任せたら、それで給料をもらっているはずの行政マンの仕事って何やねん、と。

>Finemanさん、TGさん
どもども。TGさんお久しぶり!

ここらへんについて、ぜひ県の人の声を聞かせてほしいですね。
きっと県の人もそうは思っていないと思うんだけど、結果としてそうなっているという事実について、どう考えているのか。
>行政が「安い業者」「安いコンサル」としてNPOを見ているのは、私も気になっています。?
すごい力量ですね。企業並みというかアメリカ的というか。
>米国のピッツバーグの、NPOがテナントを埋めているビル「第二市庁舎」の紹介・・・

まあ現状のNPOのプレゼン能力については(すいません、高知の、です)、デザインや文書制作等が初歩レベルにとどまっていて、それはそれで大問題だとは思います。しかし、その一方でプレゼンだけが上手(企業がバックについているNPOなんかに多いですが)で中身がないNPOも問題がある。てゆか、よっぽど問題だったりする。。。要は企業が企業とNPOの2つの顔を使い分けているだけですから。
>ピッツバーグとの対比では、ハンガリーの1%システムの方がましかな、という感じでした。?
ここは自分もホントにこれからの部分なんですが、もう少し福祉系以外での「使い道のいい」支援制度があればと思いますね。もちろんただ出すというのではなくて、明確な助成目的に合致するところに出すという形で。
>住民やNPOによる財源確保にはある一定のスキルがあれば、できることもあるんやないでしょうか。
>「災害支援」という特殊性はあるものの、ある一定の活動に限定すれば、新しいファンド運用の可能性は高いのでは。

なるほど。やはり具体性が鍵ですね。しかし実際そこまでやるには余りに手元資料が少ないなあというのも一つの実感ですよね。民主党が郵政民営化の対案を出せなかった時のいい訳じゃないですけど(w
>いわく 「市民の提案は、ぼんやりしたスローガンやイメージや夢のようなものが多かったので残念でした。"○の問題を2年後に○%改善するために、短期的には◇、中期的にはと○という解決策を、来年4月から2年間実施したい。そのために◇な人員を手当する必要がある。結果2年間で総額◇の経費が必要なので支援を求めたい" などと数字まで具体的な提案があって、内容に納得できれば 「これをすぐ詰めて進めてくれ」 と、担当部局に渡す覚悟はあったのに。本当に真剣なら、行政も資料を提供して手伝うから、自分たちでそこまでプランを詰める意欲が欲しい」 と。

同感です。これまでも仕事で何回「お金は払ってるんだからアレとコレとアレとアレを月曜までに」といわれたことか。あと、集客や効果見通しのないイベントでもチラシでも、とにかくそれで契約しているのだからやれとか。もっといい方法でやり変えた方が良いと提案してもなしのつぶてです。役人とはハンコを押す仕事であり、役人とは融通が利かないのもまた仕事とはいえ、なんだかなーと思ったことしばしです。
>行政のかたは時々( 平日の日中にイベント開催等 )、人を拘束するコスト感覚が薄い

また、「企画」や「デザイン」へ充当できる項目がないということに行政マン自身が問題意識を持っている場合が多いのに、なんでかわらないんでしょう。これだからいつまでたっても中途半端なホームページやチラシしかできないわけです。企画デザイン費抜きの人役であれば、要は「つくればいい」ということにしかならないですからね。?
指定管理者制度やアウトソーシングは、やればやるほどその矛盾へと陥って行きますよね。
外に出すのはまあいいです。仕方がないことととりあえず仮定しましょう。でも、なんでその一方で役人の数が減らないのか。なんで年数%しか賃金が下がらないのか。確実に仕事は減って、ますますハンコ押すだけの毎日になることになるのに・・・フシギです。
>その大人に対して、市民活動は崇高だから無報酬やチップ程度の報酬で10日・1ヶ月と費やせ、と言うことの重さを、もうすこし認識してもらいたいなあ、と思うことはあります。それを外に任せたら、それで給料をもらっているはずの行政マンの仕事って何やねん、と。

金沢の大学でまちづくりを学ぶ学生さんのブログに、関連するようなお話がありました。↓
http://blog.goo.ne.jp/u-lev2/e/df1dff787a1620871e432bf658088197

■ありますね、緊急でもないのに ”アレとアレを月曜までに” という指示。週末も働けという意味になるわけですが。 深く相槌です。
■Fineman-2 のように月給が決まっているサラリーマンは何に時間を使おうがとにかく給料が出ますが、経営者目線だと、もっと不愉快になります。

上でした月給25万は例えばの話で、僕の話でないですよ。

 アウトソーシングや指定管理者制度のところで感じるのは、発注する役所も受ける側も非営利(NPO)と営利(企業)の垣根がなくなっているな〜という点です。
 NPOの講座などで話を聞くと、実際はっきり線を引くことができない面はあるかもしれないのですが、組織構造なんかの面からすると利益配分や役員の所で徹底的に2者には違いがあり、またミッションの部分でも、仮に社会貢献を同様に謳っていても、企業は収益がなければ倒産してしまうことから、両者には違いがあることが分かります。
 それなのに、指定管理者やアウトソーシングの場では、両者を同列に扱う向きがあります。このままでは、共倒れで最後には何も残らないということになってしまうんじゃないかと・・、思っています。
 私も1%税制のように、NPOにもっとミッションを貫き活動をするための環境整備が必要ではないかと思います。それは、指定管理者やアウトソーシングのような形ではなく(脆弱な資金を補うために、ミッションから外れたアウトソーシングを受けてるNPOも多いのでは・・)、ファンドや市民出資、寄付金のように、広く(税金の考え方もそうですね・・)資金が集められるようなシステムを浸透させることなのではないかと・・。
 現状では、公益法人の財団法人や社会福祉法人と違って、NPOの資金調達のなんと大変なこと・・。早く、NPOが社会の仕組みに認知されるためにも、NPOや社会参加を声高に叫ぶだけでなく、役所は認可等の権限の掌握のみならず、制度的なバックアップにも力を入れていいのではないかと感じる今日この頃です。

そうなんですよ。住民力、社会参加、市民社会だなんだと聞こえはいいけど、
行政は決して「腹を痛めていない」。
なんで行政がやっていたことを半分の額に減らして民に任せて「住民力」だというのに、行政職員がたった数%の給与削減でゴネたりするのかよくわからんですよ。

単に市民参加を叫んで「ボランティア社会」という名の一億総貧乏社会をつくるのではなく、許認可の幅を減らしたり資金の融通を図ったり、NPOそのものの社会的位置づけをもう少し明確にするなりの手だてが必要だと思います。NPOには、会社にできないことができるのは間違いないのですから。

 私の住む県では、まちづくり系NPOのメンバーのほとんどは、本業があります。たいていは建設業界の「会社員」ですね。 建築士とか建設コンサル職員とか都市計画コンサル社員とか、まちづくりをやりたいけれどもそういう部署に配属されない若手行政マンとか。 
専業のNPO職員はいません。
 で、NPO活動は、後で彼らの本業会社の仕事を行政から取るための "営業団体" みたいになっています。
 たとえば、旧市街地で道路の拡幅が行われる計画が持ち上がると、別にその沿線に住んでいるわけでもないまちづくりNPO団体が 『よりよい拡幅を考えるワークショップ』 かなにかを開催します。で、後々、沿線の再開発ビルの実施設計などを受注する足がかりにしていく、と。最初は 『ニュートラルな市民団体です』 と切り込んで、あるとき突然くるりと振り返ると 『○◇設計ですが、この通りにはもうずいぶんうちの設計事務所で関わっていますのでよろしく』 と。 だから、A設計事務所系のNPO、Bコンサル系のNPO、などと分かれている面があります。ある案件について、自分たちのA団体の方が別のB団体よりノウハウが少ないと分かっていても、『市民の為にB団体に譲ろう』 とはならず、とにかく自分たちがやりたいとエゴを通します。
たぶん、完全に色のないニュートラルな団体はありません。どの団体にも、"本業会社で仕事が欲しい" という色気が多かれ少なかれあります。
 それとはちょっと違う立場の市民活動は、大学教授とその研究室の学生です。大学の先生や公務員の市民団体は、給料が保証されていて研究費も使えるので、会社員のNPO活動やボランティア活動とはちょっと立場が違います。
 NPOは大抵お金が無くて苦労しています。ですから、ふぁ〜 さんの言われるように、NPOメンバーの皆が『この拡幅事業の必要性には疑問がある』と思っているのに、行政から 『ニュートラルな立場から拡幅事業推進を根回しして欲しい』 という依頼のプログラムを請けたりして、結果として、本来の「市民側に立つ」という使命・ミッションとは相容れない内容なのに、委託費を行政からもらっているから仕方なく行政の求める成果に向かってプログラムを進める、なんていうこともあります。
  ミッションが先にあって立ち上げたはずなのに、金の為になら行政の手先にもなる( ただし沿線住民に対してはニュートラルな市民団体ですと名乗る )わけです。
 ですから、NPOはすべからく税金で支援されるべきだ、とは思えません。 必要度が高く、費用対効果の高い分野にかかわり、実力もある団体だけを選んで支援するべきかな、と。 [俺たち化石の発掘が趣味です] というレベルの団体を税金で支援するのと変わりない遊び団体もありますから。結局、その選別配分のシステムが1%条例かな、と。

唸らされますね。高知でも大学やコンサル系のNPOは徐々に増えてきています。
それ自体が悪いとは思わないけど、ずるいとは思います(w
それって「市民」? と思ってしまう。
産学官民というけど、なんで産学が?という素朴な疑問です。

まあ自分もコンサルのはしくれ(とはいえ今つくろうとしているNPOは会社とは無関係)ですが・・・(泣

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